ヤギの口にまつわる話

ヤギと言えば、届いた手紙を読まずに食べちゃう黒ヤギさんの童謡が有名ですよね。では、彼らは本当に紙が好物なのでしょうか。ヤギは草食動物なので、木の繊維を原材料としている紙を食べるというのは、理論上ありえます。しかし、オーガニックな和紙などならともかく、現在使われている紙には、化学薬品やインクが付いていて、食べられるものではありません。最悪の場合、ヤギが死に至ることもあるので、興味本位で紙を与えることはやめましょう。
また、ヤギの口には、草食動物ならではの面白い秘密があります。なんと彼らには上の歯がありません。その代わり、歯茎がとても固くなっています。彼らの口の中では、下の歯が包丁、上の歯茎がまな板のような役割をして、食べた草を細かくするのだそうです。
また、ヤギの舌はざらざらになっていて、舐められると痛いので、中世ヨーロッパでは、ヤギに足の裏を舐められるという刑があったと言われています。恐ろしいですね。
そして、ヤギの喉元に注目してみると、ぶらぶらした2つの小さな突起に気付くでしょう。それは肉ぜん、もしくは肉垂と呼ばれ、ニワトリの喉元にあるものと同じです。つまり、ヤギにはトサカがあるのです。しかしその用途は不明で、特に機能もないと考えられているそうです。中にはトサカがないヤギもいるらしく、ヤギのトサカは謎に包まれた不思議な存在になっています。

 

驚くべきヤギの身体能力

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ヤギは、あの呑気そうな見た目によらず、高い所が大好きです。確かに、ヤギを漢字で書くと「山」ですよね。特に、モロッコのサハラ砂漠にあるオアシスの木とヤギの話が興味深いです。この木は正式にはアルガンツリーと呼ばれ、近くに生息するヤギ達は、この木に登って草を食べるのです。砂漠には草木がないため、木に登るようになったそうですが、不安定で決して太いとは言えない枝の上を、ヤギが自由自在に飛び跳ねている様子は、とても面白いです。断崖絶壁の崖などでも臆することなく移動する様には、憧れさえ抱いてしまうでしょう。

 

ヤギの意外な貢献

突然ですが、普段私たちが飲んでいるコーヒーの起源をご存じでしょうか。実は、そのコーヒー発祥にまつわる逸話に、ヤギが登場するのです。時代は6世紀。エチオピアに、カルディというヤギ飼いがいました。彼はある日、赤い実を食べたヤギが興奮していることに疑問を抱きます。そして持ち帰ったその赤い実こそが、現在のコーヒー豆の起源なのだそうです。

(Photo by Little Savage)

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