ライオンの狩り

ライオンの狩りは基本的にメスの仕事です。意外なことに彼女たちは狩りが下手です。成功率は20分の1程度だと言われています。なかなか獲物が仕留められないときには、チーターなどの他の肉食獣から食べ物を奪うこともあるそうです。

エサを横取りするのは、ハイエナだけではないのですね。また、彼らは肉しか食べないため、胃は食物繊維を消化できません。ではそれら植物由来の栄養をどのようにして摂取しているのかというと、草食動物の体から、間接的に摂っているのだそうです。また、たてがみがあって強そうなオスが狩りをしないのは、彼らの仕事が縄張りを守ることだから。

ライオン同士の闘いは、狩りをすること以上に壮絶なのです。そのため、オスは分厚いたてがみで急所の喉を守っています。たてがみの立派さ自体はメスを惹き付ける基準にはなりません。

ライオンの世界で大事なのは、強いこと。強いオスが、数頭のメスを引き連れてハーレムを作ります。ちなみにたてがみの単位は叢(むら)。ぼさぼさしたものが1つという意味だそうです。

ライオンの子育て

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ライオンといえば、スパルタ教育で強い子どもを育てるというイメージが浮かびます。「獅子は千尋の谷にわが子を突き落とす」という言葉もありますよね。

しかし、実はこの「獅子」は、今でいうライオンとは違う生き物で、古代中国での霊獣を指します。実際のライオンは、私たちのイメージよりも優しく手を差し伸べて育てているようです。ケニアにあるマサイマラ国立では、崖に落ちてしまった仔ライオンを3匹がかりで救助するメスライオンたちの様子が写真に収められました。

しかし、ライオン社会が厳しい世界であることに違いはありません。「プライド」と呼ばれるライオンの群れでは、リーダーとなるオスが代わると、なんと新リーダーが、元リーダーの子どもを殺してしまうのです。それを避けるため、プライドの中のメスたちは、現リーダーと、次にリーダーになりそうなオスの両方と交わり、どちらの仔か分からなくさせるという方法を採るそうです。母は強しですね。

ライオンをも殺す生物

ライオンゴロシという生物をご存知でしょうか。これはライオンをも殺してしまうことがあることからその名がつけられたもので、植物の一種です。学名は「ハルパゴフィトン・プロカムベンス」と言い、逆さに曲がる巨大な棘のある植物という意味です。

ライオンゴロシの果実には硬く鋭い棘が生え、この上を歩いたライオンの足などに刺さると抜けなくなります。取り除こうとして口に入ると、口内に刺さった棘は抜けず、粘膜が化膿し、ものを食べられなくなり、最終的にライオンが餓死してしまうという恐ろしい植物です。百獣の王ライオンでも、勝てない相手がいるのですね。
(Photo by Winfried Bruenken, Robin Alasdair Frederick Hutton)

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