コアラの食生活

コアラの主食はユーカリです。ユーカリの葉には揮発性の殺菌作用があり、普通の動物は食べることが出来ません。ではコアラはどうしているのかと言うと、食べたユーカリを盲腸で発酵させて、毒素を分解させているのだそうです。そのためコアラの盲腸は2メートルもの長さがあります。これは人間の40倍に当たります。

しかし、生まれた時からコアラがユーカリを食べられるという訳ではありません。彼らはまず、母親から毒素分解用の微生物を受け取る必要があります。そのために必要なのが「パップ」です。パップは、母親の体内で半消化状態にされたユーカリです。

いわゆる赤ちゃんのための離乳食といったところです。赤ちゃんコアラは、パップを母親の肛門から食べます。これはなかなか衝撃的な画ですが、ユーカリを食べるにはとても大切なことなのです。

コアラは20時間寝る理由

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ユーカリは栄養に乏しいため、コアラは省エネのため1日20時間を寝て過ごすことになります。さらに、赤ちゃんの時からそのような刺激物を食べて育つコアラは、常に酩酊状態にあると言われています。コアラののんびり屋さんのイメージは、ユーカリから由来するものだったのですね。ちなみに、コアラをアボリジニの言葉で訳すと「水を飲まない」という意味です。

実際、コアラは殆ど水を飲みません。彼らの主食であるユーカリの葉は60~80パーセントが水分なので、水を飲む必要がないのです。その名前からも分かる通り、コアラは昔からユーカリばかりを食べてきました。ユーカリは、オーストラリアの森の90パーセントを占め、その種類は600種にも及びます。しかしその中でも、コアラの食べるユーカリは50種ほど。好んで食べるユーカリは15種ほどです。一口にユーカリと言っても、色々な味があるのでしょうか。

オーストラリアのコアラ保護

19世紀のオーストラリアでは、コアラ撃ちが娯楽でした。しかし、彼らの寿命は10年ほどしかありません。しかも、生まれる子どもは約2センチメートルで0.5グラムほどしかない、超未熟児状態。コアラは本来弱い動物なのです。そこで現在ではオーストラリアで手厚く保護されるようになりました。

コアラ里親プログラムというものもあります。オーストラリア国内では、年間40オーストラリアドル、海外からでは年間50オーストラリアドルで参加することが出来ます。里親には証明書と共に、里子コアラの写真などがもらえるそうです。

また、「コアラ抱っこ禁止令」なるものもあります。1997年に制定された、ストレスに弱いコアラのための決まりです。よって、オーストラリアに行っても全ての動物園でコアラを抱っこできる訳ではありません。事前に調べて行く方が良いですね。
(Photo by Quartl, Brian Dell Bdell555 )

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