カバの汗は赤色

カバの汗は赤い色をしています。カバには汗腺がないため、厳密には汗というより粘液なのですが、この粘液はカバの表皮を守る重要な役割を担っています。カバの皮膚は意外なことに弱く、すぐに乾燥してひび割れてしまいます。

そのため、粘膜には皮膚を保湿するアルカリ性の特殊な分泌物質が含まれていて、この物質が空気に触れると化学反応で赤色になるのです。また、強い紫外線から肌を守る役割も果たしています。さらに、この粘液が体の表面に付いていることによって、汚れた水の中でも感染症に罹らないようになるのだそうです。

ちなみに、カバの祖先に近いと言われているコビトカバの汗は透明です。環境に適応した結果、このような進化をしたのでしょうね。

意外とカバは荒々しい

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カバは、そのユーモラスな体の形や、大きな口を開けて呑気にあくびをする様子から、のんびりした優しい印象を持たれますが、実際はかなり獰猛で危険な動物です。

あくびのように大きく口を開けるのも、彼らにとっては敵を威嚇する行為です。カバは臆病で目が悪く、縄張り意識も強いため、誰彼構わず襲いかかる習性があります。ケニアでは、カバが大人のワニを殺してしまったケースも目撃されています。アフリカでは、人を殺した回数は、ライオンを抑えてカバが1位になっています。驚きですね。

さらに、縄張り内でリーダーが代わった場合には、現リーダーが先代のリーダーの子どもを殺してしまう「子殺し」が行われることもあるそうです。

また、カバは肉を食べることもあります。彼らの主食は水草ですが、その水草に付いている虫や爬虫類も食べるほか、死肉を食べる事例も報告されています。そのような雑食なので、カバの肉は動物の中で1番まずいとも言われています。動物園で見る可愛らしいカバのイメージとは、だいぶ違いますね。

カバとイルカは似ている

昔、カバは豚やの仲間だとされていました。確かに、見た目では彼らは似ていますよね。しかし意外なことに今では、遺伝的にはカバはイルカやクジラの仲間だということが分かっています。特に、イルカと1番DNAが近いのがカバなのだそうです。

太古の昔、イルカの祖先は陸上で歩行して生活していました。その姿は現在で言うオオカミのようなものだったそうです。それが進化して、一方がイルカに、もう一方がカバになったと言われています。カバとイルカは、祖先が共通だということなのですね。
(Photo by Loadmaster, Harvey Barrison)

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