キリンの首の秘密
その長い首が特徴的なキリンは、地球上最も背が高い動物です。体高はオスで平均5.3メートルにもなります。
しかし、首の骨の数は、意外なことに人間と同じ7個です。長さと骨の数は関係ないのですね。あれほど首が長いと、頭を上下させた時に立ちくらみがしそうですが、キリンは立ちくらみはしません。彼らの後頭部には、「ワンダーネット」と呼ばれる網目状の毛細血管があり、長い首を上げ下げしても、ワンダーネットがあるおかげで血圧の変化を防げるのです。
また、首の血管には弁が付いていて、血液が逆流しにくくなっています。では、何故キリンの首はあんなに長いのでしょうか。
理由は2つあると言われています。1つは、遠くにいる敵もすぐ発見できるようにするため。もう1つは、高い木の葉も食べられるようにするためです。
その他にも、キリンの首は武器としての役割も果たします。発情期には、メスを取り合うオス同士が、首をぶつけ合って闘うのです。
キリンの睡眠時間
キリンの1日の睡眠時間は、なんと20分ほどしかありません。しかも立ったままで、脳が完全に休んだ状態でいるのは1分ほどだとも言われています。と言うのは、キリンは野生では捕食者から追われる立場にあり、いつでも逃げられるように警戒していなければならないからです。
意外と「草食系」じゃないキリン
大型の草食動物であるキリンは、草だけではなかなかカロリーが摂取できません。そのため、1日のうち出来るだけ長く草を食べられるようにしているのです。
そんなキリンですが、その生態には「草食系」とも言い切れないワイルドな面がいくつかあります。まず、キリンは強いです。彼らのキックにはライオンの頭を砕くほどの衝撃があるそうです。しかも、走ると時速50キロメートルもの速さを出すことができます。この足腰の強さは赤ちゃんのキリンにも見受けられる特徴です。キリンの赤ちゃんは、生まれてから約20分で立ちあがることが出来ます。ヒトが1年近くかかるのに比べると、すごいですよね。
しかも、キリンが草食であるという常識を覆す事実もあります。彼らは時に小動物も食べるのです。多摩動物園のキリンが鳩を食べる写真が本や新聞に載ったこともあるそうですよ。
キリンはウシの仲間
生物学的分類ではキリンは根っからの草食、ウシの仲間とされています。キリンはめったに鳴きませんが、彼らの鳴き声はウシに似た「モー」というものです。
さらに、キリンは、法律上ペットにすることが可能です。個人がペットとして飼える日本国内最大の陸上哺乳類がキリンなのです。もし、キリンを飼っていたら、貴重な鳴き声をいつか生で聴けるかもしれませんね。
(Photo by Esculapio, Hans Hillewaert, GTBacchus)