キツネ寄り?寄り?

キツネはイヌ科です。しかし、その顔つきや習性から、猫のようだとよく言われています。例えば、彼らは、繁殖期以外は群れではなく単独で行動します。また、跳躍力に優れていて、2メートル近く跳ぶことができるという点でも、猫に似ています。雑食である彼らは、狩りの際、そのジャンプを活かして獲物を仕留めます。イソップ童話の「すっぱいぶどう」でも、木に生るブドウに向かってジャンプしますよね。
キツネは、イヌとは遺伝子の数も違っていて、先に書いたように、どちらかと言えば猫に近いようにも思えますが、キツネがイヌ科だということがよく分かる興味深い実験があります。

  

キツネが“犬化”した交配実験

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1959年から40年近くの時間をかけて研究されたのが、「キツネの家畜化」です。ロシアの神経細胞学者のリュドミラ=ニコラエブナ=トルットと、遺伝学者のドミトリ=ベリャーエフの実験がそれです。人為的に選んだ大人しいキツネの交配を、長い間に亘って何世代も繰り返したのです。すると、20世代ほどでキツネに変化が現れました。
よく猫のようだと言われるキツネですが、交配実験で生まれたキツネは人に懐き、尻尾を振って人に擦り寄ったり、犬のように顔を舐めたりする仕草まで見られたのです。しかも、キツネといえばピンと立った耳が特徴ですが、家畜化されたキツネの中には、耳が垂れて犬のような顔になった個体も現れたそうです。そして、驚くことに、キツネの「コンコン」という鳴き声も、「キャンキャン」という鳴き方に変わったのだそうです。これで、キツネが紛れもなくイヌ科なのだということが改めて確認できました。

  

キツネの嫁入り

日が照っているのに雨が降る現象の事を、「キツネの嫁入り」と言います。お天気雨のことですね。では、一体なぜこれがキツネの嫁入りなのでしょうか。由来に関しては様々な説がありますが、元々は、キツネ火という言葉があり、それから派生したものだと言われています。キツネ火は、別名鬼火とも呼ばれ、墓場でお化けと共に出てくる火の玉のことを指します。この火の玉は、一般的にはリンが燃えて発生する自然現象だと言われていますが、昔の日本では、まれに山などでその火が列のように連なって燃えていることがありました。それがまるで、キツネの嫁入りのようだったのだそうです。また、もっとファンタジー要素が強くなりますが、昔話でも、キツネの嫁入りという話があります。いずれにせよ、暗夜にキツネ火が連なる様子は、異様で不気味だったことでしょう。そのイメージが、日中、太陽が出ているのにも関わらず降る不思議な雨の印象と重なったのですね。

(Photo by Keven Law, Peter G Trimming)

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