母の日のカーネーションとアメリカ南北戦争の関係

日本では、カーネーションを5月の第2日曜日に母へプレゼントするのが定番となっています。なぜ、この日が母の日になったのか知っていますか?この理由は、アメリカの南北戦争の話が関係しています。
当時、アン・ジャービスという女性が、負傷兵の健康を守るための団体を作りました。現在、戦争中でも怪我人だけは攻撃しない暗黙のルールがあります。19世紀の時点で、敵味方問わず、怪我をしている人には親切にしようという運動が南北戦争の間に起きたと考えられています。

アンは1905年に亡くなりました。しかし1907年5月12日、娘のアンナは、母親が日曜学校の教師として勤めていた教会で記念会を開いたとされています。その時に、白いカーネーションを贈ったことが、アメリカにおける母の日の起源と考えられています。

日本では、1949年頃からアメリカのエピソードをもとに、現在の「母の日」が根付きました。これが理由でカーネーションを贈ることになったと考えられています。

なぜカーネーションを、母の日に贈るのか?

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先ほど、母の日にカーネーションを贈るようになった理由をお話しました。しかし、いろんな花がある中で、どうして”カーネーション”を贈ることになったのでしょうか?
実はカーネーションという花は、キリスト教と密接な関係があります。キリストが十字架に架けられた時、母親の聖母マリアが泣いたと考えられています。その母の涙によって、カーネーションが生まれたというエピソードがあります。
カーネーションの花言葉をご存知でしょうか?白いカーネーションは「私の愛は生きている」という意味があり、亡き母へプレゼントするにピッタリの花です。また、赤の方は「愛を信じる」、ピンクは「熱愛」というように、基本的には母親への愛情を示す花と考えられています。だからこそ、母の日に贈られる花になったのでしょう。

カーネーションは古代ギリシャから栽培されている

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カーネーションは古くからある花です。既に古代ギリシャ時代から栽培されていたと考えられています。その後、10世紀にノルマン人がイギリスに伝えて普及した説と、十字軍がヨーロッパに持ち込んだ説があります。
一般的にカーネーションが普及したのは16世紀以降と考えられています。イギリスで本格的な栽培と品種改良が始まり、17世紀頃までにはカーネーションの色が3種類そになったといわれています。イギリスではカーネーションを花冠(はなかんむり)として使われていました。これはコロネーション(戴冠式”たいかんしき”)という行事で、これが語源となりカーネーションと呼ばれるようになったと考えられています。

また、カーネーションはキリスト教に限らずイスラム教でも使われています。イスラム教では、カーネーションをアラベスク(イスラム美術の一種)に使ったという記録もあります。

日本では、カーネーションが17世紀頃にオランダから伝わりました。その後、少し遅れて江戸時代の中期になってから注目されて、一気に普及し始めました。

なお現在、カーネーションにはたくさんの種類があり、3,000品種以上あるといわれています。カーネーションには様々な歴史があり、人工的に多くの種類が開発されています。

青いカーネーションの秘密

青いカーネーションのことをムーンダストと呼びます。これは1995年に生まれた新しい品種です。これは、ペチュニアという花から抽出した青い色素を、カーネーションの遺伝子に組み込んだものです。
知らない人も多いですが、青いカーネーションの花言葉は「永遠の幸福」を表しています。母の日には赤いカーネーション、あるいは、白のカーネーションを送るのが一般的です。しかし、青いカーネーションの花言葉の意味を知ると、青を贈っても良いような気がしますね。

(Photo by Rick Kimpel, Dysepsion, Pagemoral)

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