新幹線のあの形の秘密は?

次世代の交通機関として普及した新幹線。時速300キロで走る事ができ、乗り心地も快適です。新幹線の形状で特徴的なのと言えば、あの尖った頭、先頭車両ですね。なぜ、あんなにとがった形なのでしょう?

空気力学と騒音

Bullet_train
それは色々な理由があり、一つは、「摩擦の軽減」です。空気は壁と考える事ができます。

面積の大きい物より、尖った鉛筆の様な形の方が、段ボールの壁を突き破るのは抵抗が無く容易ですね?空気もこれと同じように、突き破る(進む)先の面積が小さい程、空気との摩擦を軽減できて、スピードが出やすくなるのです。出来る限り小さな力でスピードを出せるようにするための工夫なのですね。

もう一つは、「騒音の軽減」です。車が通り過ぎたり、強い風が吹いたりすると、風切り音がしますね?この風切り音は、空気と物体がぶつかったときの摩擦音なのです。

そして、この摩擦音は、風が早いほど、そして相対的に見て、物体が早いほど大きくなります。そのため、新幹線はできるだけ先端を細くし、空気を受け流し、当たる風を最小限にするための形状になっているのです。こうすることで周囲への騒音を抑えているのです。この効果が特に発揮されるのは“トンネルの入り口”です。

もし新幹線の先端が面積の大きい形をしていたら、トンネルの中の空気を一気に前に押し出し、圧縮された空気が出口側から空気砲のように飛び出してきます。これはとても大きな騒音の原因になるのです。それを防止する役割も果たしているのです。

速さと快適さには、ちゃんとした理由があるのですね。

座席にも工夫

新幹線の座席は、真ん中の通路を挟んで、2席連なっている側と、3席の側に分かれていますね。そしてこの座席はくるりと回転し、後ろの席列と向き合うようにできます。

この配列、ちゃんと理由があるんです。それは、「仲間外れを作らない」為です。もし一人で新幹線に乗ったなら、好きに座れば良いのですが、集団の場合は違います。

2人以上で新幹線に乗る時、もし2人組みで来たら、2人掛けの席、3人で来たら3人掛けの席、4人で来たら2人掛けの席を向かい合わせて、6人で来た時は3人掛けの席を向かい合わせて……このようにすれば、誰かが仲間外れになって一人離れた所に座る様な自体にはなりませんね?

普通列車だと、4人席までしかなく、5人組だと一人あぶれてしまったり、少し残念なことになってしまいますが、新幹線ならばそんな心配はありません。

乗車しているときの快適さや利便さも、しっかりと考えられているのですね!

(Photo by Anticipator, Ben Salter)

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