ダイコンの根は、どこにあるの?

昔からダイコンはオホネ(オオネ)と呼ばれてました。オホネ(オオネ)とは漢字で書くと「大根」で、 大きな根というそのままの意味ですね。このオホネ(オオネ)を音読みするとダイコンになります。

ダイコンは”葉っぱ”と”白い根”に分かれてます。私たちは白い根の部分を根と思っています。しかし、それ全体が根というわけではありません。ダイコンをよく見てみると、真ん中から先っちょにヒゲ根が生えてます。そのヒゲ根の生えている部分から先っちょまでが、ダイコンの「本当の根」です。実は、それよりも上の白い部分は根ではありません。

では、上の白くてツルツルした部分はいったい何でしょうか?これは杯軸(はいじく)です。ダイコンは根と杯軸(はいじく)が成長した野菜なんですね。杯軸(はいじく)の上に短い茎が生えていて、そこから葉が生えます。

大根と切干大根

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「切干大根」とは大根を切って干したものです。切り干し大根は保存がきくし、いろいろな料理に使えるので便利ですよね。この便利な切干大根は、生のダイコンよりも栄養素がつまっています。生のダイコンと切干大根の成分を比較するとしましょう。切干大根のほうが、生のダイコンよりも10~20倍の栄養がつまっています。

たとえば、カリウムを例にとります。ダイコンだと100グラムあたり230ミリグラムですが、切干大根は3200ミリグラムもあります。カルシウムだと、ダイコンが24ミリグラム、切干大根が20倍以上で、540ミリグラムなんですね。次にエネルギーの場合、ダイコンは18キロカロリーですが、切干では279キロカロリーもあるんですね。

その一方で、切干大根にはビタミンCがほとんどありません。ちなみに、1,5キロのダイコンから100グラムの切り干し大根ができます。単純計算すると、切干大根は15倍に濃縮されているわけですね。コレが理由で、切干大根のほうが栄養がつまっているということですね。

カイワレダイコンはダイコンになるの?

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カイワレダイコンはすごく小さいので、ダイコンの仲間には見えないですよね?このカイワレダイコンは白くて細い杯軸(はいじく)の上に緑色の葉が生えてます。その双葉が貝の開いたように見えることから、貝割れダイコンと呼ばれるようになったんです。

カイワレダイコンのピリッとした辛味は味覚を刺激して食欲をそそりますね。ですから、刺身や肉料理のつけ合わせ等によく使います。また、栄養価がなさそうに見えますが、ビタミンA(カロテン)やビタミンCを多く含んでいます。

このカイワレダイコンはダイコンと同じ名前ですが、見た目が全然違います。しかし、ダイコンの子供なのです。ダイコンの種子を暗いところで発芽(はつが)させるとします。杯軸(はいじく)が伸びてきて子葉(しよう)が開いたときに日光にさらします。すると緑色になりカイワレダイコンになります。このカイワレダイコンをさらに栽培していくとあの大きなダイコンになるのです。

ダイコンとカブはどこが違うのか

春の七草といえばセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロですよね。スズナはカブ(カブラ)のことで、スズシロはダイコンのことです。

日本人はダイコンよりも前にカブを栽培していました。ダイコンとカブは同じアブラナ科に属した仲間です。しかし、似ていない部分がいくつかあります。

まず、カブとダイコンの形を見てみましょう。ダイコンは棒状でカブは球状です。ダイコンは杯軸(はいじく)と根が太くなったものです。その一方で、カブは杯軸(はいじく)だけが太くなったものですね。
そして、ダイコンとカブでは種にも違いがあります。カブに関して言うと、莢(さや)の中に種がたくさんあります。カブの莢(さや)は種ができて実るとはじけます。でも、ダイコンの莢(さや)ははじけないんですよ。

花にも違いがあります。ダイコンは白っぽいウスムラサキ色の花をつけます。一方、カブは黄色い花を咲かせます。

食べ方にも違いがあります。ダイコンはおろして、大根おろしとして生で食べたりしますよね?でも、カブを生で食べる事はほとんどありません。普通は、カブに熱を通して漬物や煮物にしてから食べます。

(Photo by Kazuo Hishiki, 100yen, Chris 73)

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