タケノコの成長

「タケノコのようにスクスクと・・」という言葉がありますよね。これはタケノコがすごいスピードで成長することから、こう例えられるようになりました。竹の子供である「タケノコ」は最大で20メートルも成長する場合もあります。

タケノコはたった数ヶ月で親と同じ高さまで成長し、一日で1メートル以上も伸びることがあります。でも、他の木と違う部分があります。それは竹の内部は空っぽであるということでしょう。そのため、タケノコは中身にエネルギーを使わなくていいので、身長を伸ばすことに集中できるワケですね。

見た事があると思いますが、竹には節があります。この節は、すでにタケノコの段階で数が決まっているため、増える事は一生ありません。

竹(タケノコ)にはそれぞれの節に成長点(せいちょうてん)があり、節と節の間が成長しているんですね。そのため、ひとつひとつの節の伸び率は少ないですが、数がたくさんあるので、1日に1メートル以上も伸びることもあります。

タケノコの種類によりますが、タケノコは昼も夜も成長します。

タケノコを茹でる時はなぜ皮をつけたままなの?

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タケノコにはアクがあります。アクの成分はシュウ酸やホモゲンチジン酸ですね。私たちがタケノコを料理する時には、まず下茹でをしてアクを抜きます。その時にタケノコの皮ごと茹でるのがポイントです。

タケノコを茹でる前にいくつか下準備をする必要があります。まず皮のついたままのタケノコの先端部分(穂先)を斜めに切り落とします。そして皮の部分に切れ込みを入れることで、アクを皮の外に出やすくします。

実はタケノコの皮の中には亜硫酸塩(ありゅうさんえん)があります。亜硫酸塩(ありゅうさんえん)はタケノコの繊維を柔らかくします。ですから皮をつけたままタケノコを茹でましょう。そして茹でるときには米糠(こめぬか)を使うのがポイントです。米糠(こめぬか)がコロイド状になりタケノコのアクを吸収します。米糠(こめぬか)を加えることで米糠(こめぬか)の甘味やうま味も加わりおいしくなゆんですね。また、米糠(こめぬか)がない時は、米のとぎ汁や米をそのまま加えてもいいでしょう。

タケノコの白い粉は何か知っていますか?

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タケノコを煮ると白い粉が出てきます。「いったいこの白い粉の正体は何だろう」と思ったことありますよね?スーパーで売っているタケノコの水にも白い粉がついてますね。

実は白い粉の正体は「チロシン」というアミノ酸の一種なんです。タケノコには特に多くのチロシンが含まれているんですね。ちなみに生のタケノコに含まれるチロシンの量は、100グラムにつき約690ミリグラムです。

このチロシンはもともと冷たい水には溶けにくい物質です。タケノコを茹でるとチロシンが溶け出して、冷めると固まり白い粉となってタケノコの表面に残ります。もちろんチロシンは食べても無害ですから安心して下さいね。むしろチロシンは、人間の脳に必要なドーパミンの原料ですからカラダにいいです。

春の味覚といえば”えぐ味”って聞いた事ありますよね?

タケノコといえば、”えぐ味(えぐみ)”と言いますね。まず、えぐ味とは何なんでしょうか?

このえぐ味は、タケノコだけではなくて、フキノトウや山菜類にもあります。結局”えぐ味(えぐみ)”というのはアクのことですね。”えぐ味(えぐみ)”はアクの成分と同じ「ホモゲンチジン酸」と「シュウ酸」なのです。
土の中から掘ったばかりのタケノコを生で食べるとします。でも”えぐ味(えぐみ)”はほとんどありません。では、タケノコの”えぐ味(えぐみ)”はいつ生まれているのでしょうか?土の中のタケノコが成長すると、やがて穂先(ほさき)を出します。そのタケノコを食べてみると強い”えぐ味(えぐみ)”があります。

日光を浴びることにより、タケノコは成長に必要な成分を作り始めます。それと同時に、”えぐ味(えぐみ)”も作っています。そして、”えぐ味(えぐみ)”も時間の経過と共に増えていきます。ですから、収穫してから時間の経ったタケノコほど、”えぐ味(えぐみ)”が強くなるということですね。

では”えぐ味(えぐみ)”の少ないタケノコを選ぶポイントをお教えしましょう。タケノコは時間が経つと根元部分の突起の色も濃くなります。だから、穂先(ほさき)の緑色が薄いものを選ぶと”えぐ味(えぐみ)”が少ないですよ。

(Photo by Joi Ito, Azzurro, Jpatokal)

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