もっとも身近な交通機関

日常の移動手段として、電車は都会であればあるほど頻繁に利用されています。そんな見慣れた電車について深く考える機会はあまりないはずです。

今回は、電車に関する雑学をいくつか紹介します。

車体の番号でいろいろなことが分かる

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電車の車体に書いてあるカタカナと数字の記号を見たことはあるでしょうか。例えば「モハ115-1105」や、「クハ481-105」などです。これらはただの型番というわけではなく、その電車の用途や種別などの特徴を表すものになっているのです。

この記号は左のカタカナから、①電車の種別、②使い方(用途)、数字の百の位から③電気方式、④種別グループ、⑤設計順序、そしてハイフンを挟んで⑥製造番号、という風にそれぞれが意味を持っています。

鉄道の熱心なマニアたちはこの番号を駆使して熱の入った会話を繰り広げているのです。

ラッシュ時の乗車数は

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通勤ラッシュや帰宅ラッシュなど、時間帯によっては電車の中にパンパンに人を詰めて発車する場面が見受けられます。空いている時間からは考えられないほどの人が乗車していますが、電車には実際何人くらいが乗ることができるのでしょうか。

電車の中に限界まで人が乗車した状態の乗車率が約250%程度だと言われています。標準的な通勤電車の定員は150~160人ですので、単純計算でラッシュアワーの際は一車両に375~400人の人が乗車していることになります。ちなみに昭和30年代後半の中央快速ではあまりの乗車率に、人間の圧力で毎日窓ガラスが割れていた、という話も残っています。

電車の寿命とその後

財務省によって定められた減価償却に関する法規では、電車の「法定耐用年数」は13年とされています。しかしこれはあくまで減価償却の話です。実際に電車がその役割を果たす期間は20~40年と車両によってかなり幅があります。

手入れ次第ではかなり長持ちする例もあり、80年ほどその働きを全うした電車もあると言われています。

また、引退を迎えた電車のその後ですが、その役割を一旦全うした電車でも、すぐに廃車としてスクラップされるわけではありません。都市圏など利用者の多い鉄道で毎日かなりの量の働きをしてきた電車の中には、地方の割とゆったりとしたダイヤの鉄道で再び活躍するものもあります。また、海外に輸出されるという例もあるようです。

スクラップになった電車も、その部品の一部はリサイクルされ、新しい電車の一部となり、再び生き続けます。この辺りにロマンを感じる電車マニアも多いのでしょう。

(Photo by Siegele Roland, Alain Rouiller, Kentaro Iemoto)

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