発展途上国を中心に

原動機付自転車は今や東南アジアなどの発展途上国では欠かすことの出来ない移動手段として確立されています。日本でも「自動車離れ」が進む昨今、都心部では原付の需要は高まっています。また、景気が芳しくない今、地方でも自動車を一人一台保有することが難しくなっている背景もあり、原付を普段の移動手段として使用している人が増えてきているのです。

原付の歴史

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原動機付自転車はその名の通り、最初期型は自転車に近い車体にエンジンを積んだシンプルなもので、形も今のように多様ではありませんでした。当時は免許も必要なく、ペーパー試験さえパスすれば乗ることができる、手軽で便利な自転車感覚の乗り物でした。

原付が世間に急激に広まったきっかけは、ホンダが開発した「カブ」だと言われています。

その後、低燃費・低価格のスクータータイプ『ロードパル』が発売となり、さらに原付の人気は広まって行きました。

現在では原付はさまざまな進化を遂げ、乗りやすさやデザイン性に拘ったスクーターやミッション車タイプのものも人気で、日常の移動手段としてだけではなく、幅広い愛好家も居ます。

原付=「ホンダ」

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冒頭にも書いた通り、発展途上国での原付の需要はかなりのものです。特にホンダの「カブ」を乗っている人はかなり多く、現地で原付といったらホンダ製のものが特にメジャーです。

ベトナム等の国では原付・オートバイの総称を「ホンダ」と呼んでいるくらいで、例えばヤマハ製のオートバイも「ヤマハのホンダ」と呼ばれているそうです。

原付に乗るときの注意点

日本の道路交通法において、排気量50CC以下の原動機付自転車の制限速度は時速30kmとなっています。

とはいえ、時速30km以下の速度で自動車等に混ざって道路を走行するのは、交通の流れに乗れず逆に危険な気がして、ついつい速度を少し上げてしまいがちです。しかし、比較的交通弱者である原付は警察の標的となることも多く、その速度を上げた瞬間を狙われることも多いようです。

法定速度が時速30kmであっても大抵の原付はフルスロットルで時速60kmまでは出るような作りとなっており、「なんだかなあ」と思うところではありますが、十分注意する必要があります。

原付はバイクと比べればスピードは出ませんが、それでも転倒してしまったときや、事故を起こしてしまったとき、その衝撃は運転手の体に直撃します。原付とはいえ、運転をする際は厚手のジャケットやグローブで肌の露出を避け、ヘルメットを正しく着用することが大切です。

(Photo by Norbert Schnitzler, Kadi-kadi, 4028mdk09)

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