空中の散歩「ロープウェイ」

ロープウェイは山間など、空中を通したロープに輸送機器を吊るして移動する乗り物です。高い場所が苦手な人は少し怖いかもしれませんが、その見晴らしは本当に素晴らしいものです。下界から隔絶された乗り物は普段は感じることのできない感覚を味わうことができるのです。

「索道」って聞いたことありますか?

Kulltaubane i Longyearbyen på Svalbard
あまり耳馴染みはないかもしれませんが、ロープウェイは乗り物としては「索道」というカテゴリーに分けられています。ゴンドラリフトやスキー場の一人乗りリフトもこの分類に入ります。

索道には扉を有する閉鎖式の輸送機器を使用し、旅客・貨物を運送する「普通索道」と、「扉が無く、解放された座席によって構成される椅子式の輸送搬器を使用することで旅客を運送する「特殊索道」があります。見た目から分かる通り、普通索道がロープウェイやゴンドラリフト、特殊索道がスキー場のリフトに当たります。

幻のロープウェイが渋谷に

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ロープウェイは基本的には見晴らしの良い山間や渓谷などに設置されているものです。しかし、大都会東京、その中心街の渋谷に以前ロープウェイが存在していたことをご存じでしょうか。

渋谷に存在した幻のロープウェイは「ひばり号」という名前でした。ひばり号が渋谷にかかっていたのは1951年から1953年の2年間という非常に短い期間でした。現在の東急百貨店東横店東館(当時は東横百貨店)の屋上と西館(当時は玉電ビル)の屋上を折り返し運転の形式で運行していたひばり号は、子供くらいしか乗ることができない非常にちいさなロープウェイだったそうです。

しかし運行を開始してすぐに、当時の玉電ビルの増築工事の影響によって廃止されてしまったのです。戦後のほんのひと時しか運行されなかったひばり号は、メディア上にもほとんど写真が残っていないそうで、まさに幻のロープウェイと言えるものでした。なんだかロマンのある話ですね。

日本の有名ロープウェイ

日本で有名なロープウェイと言えば、箱根ロープウェイなどがあります。箱根ロープウェイは神奈川県箱根町の早雲山駅と桃源台駅を結ぶ索道で、全長4kmに渡り、現在では日本で一番長い区間を結ぶロープウェイとなっています。

他には、日本初の2階建て索道である岐阜県高山の新穂高ロープウェイや、ハイスピードで壮大な景色を楽しめる群馬県利根の谷川岳ロープウェイなど、日本にはいくつもの有名なロープウェイが存在します。

一度実際に足を運んでみるのもよいかもしれません。きっとその景色は本当に素晴らしいものです。
(Photo by Marius Fiskum., Krish Dulal, János Tamás)

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