電車が浮く!リニアモーターカーの仕組みは?

次世代の交通機関として注目されている“リニアモーターカー”。一体どんな仕組みで動いているのでしょうか。これを説明するとなると、電気に関係する専門的な語句や原理を用いないといけません。ですが、ここではわかりやすく、簡単に、誤解を恐れずに説明します。磁石のS極、N極が高速に切り替わって浮く、そんなイメージになります。

浮く要素は磁石

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リニアモーターカーの仕組みについてもう少し体系的に説明します。磁石は、同じ極同士だと反発、違う極だとひき合います。リニアモーターカーはこの法則を使って車体を浮かせています。

S極とN極が交互に連なった、SNSNSNSNSN……と続く長い磁石を想像してください。これが車体を挟むレーンになります。そして、この2本のレーンの間に挟まれる車体を、レーンとはS極とN極がずれたNSNSNSNSNSN……と言う磁石だと仮定します。

すると、車体はN極の部分はレーンのS極の部分に、S極の部分はレーンのN極に引かれる事になります。こういう風に、逆の磁極で車体の磁石を挟み込む事により、車体を浮かし、固定する事が出来るのです。

さて、これで車体を浮かせる事が出来ました。では、車体を前進させるためにはどうするのでしょう?考え方はシンプルです。レーンを前進させれば、磁極の移動に合わせて車体も引っ張られてきます。しかし、レーンを移動させることはできません。

リニアモーターとは

リニアモーターとは、簡単に行ってしまうと“平べったい、まっすぐなモーター”のことです。普通のモーターは、S極、N極が交互に連なった、外側の輪の中に、同じくS極、N極が交互に連なった輪が入ってあります。外側の輪の、S極とN極の位置が高速に切り替わる事で、それの磁極の変化につられて内側の輪が回り、軸が回転するのです。この輪をぷつっと切って、平たく広げたのがリニアモーターです。

電気による制御で外側の(つまりレールの)輪の磁極を前に移動させれば、内側の輪(つまり車体が)引っ張られて前進するのです。外側のレールの、磁石の力に車体が引っ張られる事で動くのがリニアモーターカーなのです。SN極を切り変えられるのは、電磁石という、電気の流れによって出来る磁石を使っているためです。

リニアモーターカーは浮いているため摩擦抵抗が無く、運用すれば時速500キロも優に超える超高速を実現します。

(Photo by Uraomote yamaneko)

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