ヨットの定義

ヨットと言われると、どのような船を思い出しますか?帆を広げて風を受け、静かに気持ち良く水の上を進む船というイメージが一般的かもしれませんね。でも本来の意味のヨットは「豪華な遊び船」を意味する船で、帆で進もうが、エンジンで進もうが、どちらもヨットとよばれます。

クルーザーやディンギー、モーターボートもヨットに定義されることが多いのですが、そんなヨットはどのようにして生まれたのでしょうか。

ヨットの歴史

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ヨットの起源は、大航海時代より少し前、14世紀のオランダといわれています。元々は、海賊を追跡したり、偵察をするために用いられていた高速帆船でjaght(ヤハト)と呼ばれていました。この船をオランダより寄贈されたイギリス王チャールズ2世がこの乗り物を好み、yachtと名前を改めたのがヨットの語源といわれています。

その後この乗り物を嗜む人が増えて、世界の各地にヨットクラブが設立される事となります。

日本では、江戸時代に長崎で外国人貿易商の注文で建造されたのが始まりといわれており、日本人により初めて建造、帆走されたのは、明治時代の神奈川の葉山。そのために、葉山港には日本ヨット発祥の地の碑が建っています。

世界最古のスポーツイベント

そんなヨットのレースが、世界最高峰、最古のスポーツイベントと呼ばれることを知っていましたか?

その名もアメリカズ・カップ。1851年にイギリスで行われた、ワイト島一周レースがはじまりといわれ、このレースの優勝艇が、アメリカ合衆国の「アメリカ」号でした。この船のオーナーは、ビクトリア女王から送られたこの優勝カップをニューヨーク・ヨット・クラブに寄贈しましたが、このカップの贈与証書には、次のような言葉が書かれていたのです。

「カップの保持者は、いかなる国の挑戦も受けねばならない」

これにもとづいて、1870年に行われたのが第1回「アメリカズ・カップ」です。ただ、このレースの起源となったイギリスは、このカップを授与してから今まで、このカップを取り戻した事がありません。なにせ、1983年にオーストラリアに敗れるまで、132年間にわたりニューヨーク・ヨット・クラブが勝ち続けていたのですから。これは、世界スポーツ史における偉業の一つでもあります。

このレースには、1992年・1995年・2000年と3度にわたり日本からのチャレンジも行われましたが、いずれも挑戦艇決定レースである「ルイヴィトン・カップ」の準決勝で敗退しています。日本艇「ニッポン・チャレンジ」は、アメリカズ・カップの本戦に出場はかなっていません。それだけ出場各国の最先端技術や威信をかけたものである事がわかりますね。

(Photo by Krzysztof Maria Różański, pollobarca2)

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