カヌーとカヤックの違いは何か

水上での移動手段として、世界中で使用されるカヌー。川や湖など、使う状況や地域によって様々な種類があります。

例えば、川用のカヌーは、小回りが利くよう、船体を回転させやすい作りになっています。逆に、海の場合は波に負けないよう、真っすぐに進めるような造りです。

ところで、ボートやカヌー以外で、もう一つ、何か思いつきませんか?そう、カヤックです。どちらも小型で、パドルで漕いで進む船ですが、そこには明確な違いがあります。一体何なのでしょう?

ポイントはパドル

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実は、蓋を開けてみれば違いは簡単。パドルの形状が違うだけなのです。パドルは、水を掻く棒状の道具です。

カヌーのパドルは、水の中に入れて漕ぐ平たい部分が片側だけ。もう片側は持ち手になっています。シングル・ブレード・パドルと言います。
それに対して、カヤックはパドルの両側が平たくなっており、右、左、右、と交互に漕ぐ造りになっています。ダブル・ブレード・パドルといいます。カヌーとカヤック、違いはこれだけ。知ってしまえばなんてことはないですね。

さて、それでは、もしカヤックに乗り、パドルをシングル・ブレード・パドルにしたら、それはカヌーになるのでしょうか?実は、なりません。カヌー、カヤックには色々な種類があり、その用途の為の形状に適応しています。そのため、自然とパドルも、シングル、ダブルで合うものになっています。ですので、パドルを変えて使う、なんてことは普通しません。

船自体の構造の違い

もう少し細かい定義の話になりますが、殆どのカヤックは、上面は人が座る所だけ穴があります。それに対し、カナディアンカヌーと言うカヌーは、上面は普通の船のように開いています。カヤックの様な形状をクローズドデッキ、カナディアンカヌーの方をオープンデッキと言います。

なぜ、このような形状の違いが生まれたか。それは発祥に関係します。カヤックは経度の高い、北極やグリーンランド辺りの、寒い地域で誕生しました。冷たい水が中に入ってきたり、転覆したらすぐにクルリと戻るよう、出来るだけ穴が小さく筒状の形状になったと言われています。初期のカヤックは、海獣の骨や流木に、毛皮を張り付けて作り、狩りに使っていたようです。

カヌーは、カナダあたりの森林地で、湖や川などの通行手段として作られました。当時交易の品であった毛皮等を積んで運ぶ目的上、荷物を置く面積を増やすためにオープンデッキになったようです。用途によって形状が最適化され、それが現代まで引き継がれてきました。

(Photo by Motorrad-67, Barry Skeates)

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